・:*+.私を愛して 。.:*・どんな形でもいいからと望んだ昔の私へ
耳を赤くしている私の髪を、先輩は手ぐしで優しく撫でる。
手のひらで優しく私の頭を覆う。
そうやって先輩は丁寧に丁寧に洗ってくれた。

シャンプーとリンスが終わり、フェイスガーゼを取ってもらい、私はまず髪を乾かしてもらった。


何か髪に塗ったのだろうか?
私の髪は、さらさらと流れるように三雲先輩の指の間をすり抜ける。

それにしても、さっきから三雲先輩の手つきが…。
時々、その手が耳に当たって、そのたびに心臓が強く波うつ。
鼓動が早くなって、治ってくれない。


「お任せって言ってたよね。どうしようかな。」
私の顔の真横に自分の顔を寄せて、ジッと鏡越しの私を見つめる三雲先輩
私は恥ずかしくて目を逸らした。
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