・:*+.私を愛して 。.:*・どんな形でもいいからと望んだ昔の私へ
ケープを外してもらい、
椅子がくるりと横に回る。
私の視界から、鏡が見えなくなっていく。

「気に入ってもらえてよかった。」
三雲先輩はそう言って私の髪を耳にかけてくれた。
その手はそのあと三雲先輩の元に戻ることなく、そっと私の耳をなぞった。


「んっ…。」

私の体はピクッと動き、肩が自然と耳の方に、三雲先輩の手の方にいく。

私は今この空間に先輩と私、二人だけなのを思い出し、強く意識してしまった。

「かわいい。」
静かに笑う三雲先輩に、私は恥ずかしくなって下を向いた。
< 19 / 83 >

この作品をシェア

pagetop