・:*+.私を愛して 。.:*・どんな形でもいいからと望んだ昔の私へ
「今日、蒼翔先輩に誘われて、びっくりしました。先輩のお家、プライベートビーチなんて持ってるんですか?」


私は大学を終えて、美容院の方へ来ていた。

先輩に髪を弄られながら、そう聞くと
「蒼翔、もう喋ったんだ。毎年、夏には蒼翔たちと行っててね、今年は乃亜たちを誘おうって言ってたんだ。」
そう言って先輩は私の髪に手を通す。


「そうだったんだ。明梨が行くってすごく嬉しそうで。」

そう言ってクスクスと笑っていると、先輩が鏡越しにこっちを見て微笑んだ。
それを見て鼓動が急に早くなった。
「乃亜も来てくれる?」
私は顔が熱くなるのを感じて、それを紛らわすように勢いよく首を縦に振って
「うん。」と答えた。
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