・:*+.私を愛して 。.:*・どんな形でもいいからと望んだ昔の私へ
父さんは有名なスタイリストで、いつも何処か遠くに仕事に行っていた。

俺が幼稚園、小学校の低学年の時までは、父さんの仕事で海外に何度も連れて行かれた。


でもいつからか俺は連れて行かれることはなくなって家で一人、何ヶ月もひとりでいた。

母さんは俺の幼い頃に出て行って、俺は顔も覚えていなかった。



乃亜の時々するその顔が、俺に昔を思い出させる。
寂しくて、でもそれをどうにかする方法を幼い俺は持っていなかった。
どうすることもできない寂しさを、自分の中で抑えて静かに笑う。
今の乃亜のように
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