ちっちゃな幸せ
「簡単なものだけど、どうぞ」

粋香は、咲凛にレタスチャーハンとスープを出した。
咲凛は勢いよく食べると、おかわりもした。

『ごちそうさまでした』

粋香の家に入ってからは、咲凛は筆談で会話をしている。
喋るのはどうやら苦手だったみたいだ…。


‐夜、

「お世話になりました」

咲凛の父親は、深々と頭を下げた。

「いえいえ」

咲凛の父親は、

「では、失礼します」

と言うと、咲凛を連れて自宅に帰って行った‐。

「なんか気になるなぁ…」

咲凛たちが帰ってから、粋香は凛月(りつき)に零す。

「日花里、ネグレクトしてるんじゃないかな…?
咲凛ちゃん、今朝も日花里の顔色を伺ってビクビクしてたし…」

「すいちゃん、そういう事は言うもんじゃないよ…」

凛月は粋香を宥めた‐。

< 10 / 22 >

この作品をシェア

pagetop