好きになってもいいですか?
そう考えていると教室のドアが開く。
あっ、と声が出そうになって、私は慌てて自分の口を両手で覆った。
「おはよう。芹沢さん」
「お、おはーー」
「おはよう! 拓真ったらおそーい」
挨拶をしてくれたのは、このクラス1ーーううん、学年1と言っても過言じゃない程、容姿端麗な上杉拓真くん。
誰にでも優しくて、こんな平々凡々な私にも挨拶をしてくれる、クラス1の人気者。
《あ~、挨拶返したかったのに出来なかったぁ~》
初めに上杉くんに声を掛けた女子、松永千里に続き、次々と彼の周りには人が集まって来ては席へと向かってしまう。
完全にタイミングを逃してしまった私は、軽く溜め息を吐いた。
《挨拶しか話すチャンスが無いのになぁ......》
再び溜め息を吐きかけたところで、ボソッと呟く低い声が耳に届く。
「......俺だっているっつーの......」
「?」
顔を上げて見ると、目の前には上杉くんと一緒に来た桜井涼平くんが立っていた。
彼は上杉くんの幼馴染みだ。よく一緒にいる。
でも、先程の言葉の意味が分からない。一体誰に対して言っているのだろうか。考えても分かる筈もなく、彼もそのまま自分の席へ荷物を置いては、上杉くんの傍に行ってしまう。
暫くするとチャイムが鳴り、全員が席に着くと先生がやって来て、授業が始まった。
あっ、と声が出そうになって、私は慌てて自分の口を両手で覆った。
「おはよう。芹沢さん」
「お、おはーー」
「おはよう! 拓真ったらおそーい」
挨拶をしてくれたのは、このクラス1ーーううん、学年1と言っても過言じゃない程、容姿端麗な上杉拓真くん。
誰にでも優しくて、こんな平々凡々な私にも挨拶をしてくれる、クラス1の人気者。
《あ~、挨拶返したかったのに出来なかったぁ~》
初めに上杉くんに声を掛けた女子、松永千里に続き、次々と彼の周りには人が集まって来ては席へと向かってしまう。
完全にタイミングを逃してしまった私は、軽く溜め息を吐いた。
《挨拶しか話すチャンスが無いのになぁ......》
再び溜め息を吐きかけたところで、ボソッと呟く低い声が耳に届く。
「......俺だっているっつーの......」
「?」
顔を上げて見ると、目の前には上杉くんと一緒に来た桜井涼平くんが立っていた。
彼は上杉くんの幼馴染みだ。よく一緒にいる。
でも、先程の言葉の意味が分からない。一体誰に対して言っているのだろうか。考えても分かる筈もなく、彼もそのまま自分の席へ荷物を置いては、上杉くんの傍に行ってしまう。
暫くするとチャイムが鳴り、全員が席に着くと先生がやって来て、授業が始まった。