好きになってもいいですか?
昼休み。

今日は暖かいので夏美ちゃんと中庭で食べていた。


「それでね、その少女マンガの恋の行方がどうなるかってところで終わってて、もう少しで発売だから気になって気になって」


周りにはあまり生徒がいない為、つい熱弁してしまう。


「はいはい。ホント花音はマンガとか好きだよねぇ」

「ゲームも大好きだよ」

「知ってる。でも、たまには現実の男にも目を向けたら? 花音は可愛いんだし」

「現実の男......?」


平凡な容姿の私の事を可愛いと言うのは夏美ちゃんくらいだ。なので、敢えてその事には触れずに別の言葉に首を傾げて訊ねた。すると、何故か夏美ちゃんはこちらを見ながらニッと笑みを浮かべる。


「上杉拓真とか?」

「!? う、上杉くん!?」


胸の鼓動が大きく脈打つ。
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