生贄の花嫁      〜Lost girl〜
―泰揮side—

DNAの突然変異の症例は過去に読んだことはあったが実際に起こった光景を見るのは初めてだった。
本来人間として生まれた者が吸血鬼のDNAを持つことは決して多くない。そのため認知度は低く一定の立場の種族でないと知らないこともある。

研究室の本棚の端から端まで取り出し細胞の異常に関する資料を探す。


「これだ……。処置の仕方は……え…?」



そこには〈この症状に陥った場合、それ以上の被害を防ぐために〉


「本人を殺めることのみ……。」

と書いてあった。




助けられる方法はないのか……?まだ16歳の女の子だぞ。それを…その命を奪えというのか……?
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