生贄の花嫁 〜Lost girl〜
第17話 吸血鬼協会
恐怖に襲われ目を手で覆う。グチャっという生々しい音と血が滴る音。
「う…あ…。」
恐る恐る指の隙間から覗くと聖さんが琉生くんの上に覆いかぶさり刺されていた。
「邪魔をするな。」
「ここで琉生が死んだら花月が悲しむ。それに…俺らの家を……汚したくないからな…。」
「邪魔をするなら貴様からだ!」
「花月、見ないで。」
後ろから奏に目を覆われる。見えなくても聞こえる音が生々しさを…荒々しさを物語っている。
「聖なら大丈夫だから……。僕なんかよりも強いし絶対に負けない。」
しばらくすると戦っていたであろう音は消え奏の手も外された。目の前に現れたのは傷を負った聖さんと彼に抱えられた2人の姿。
「こいつらを…地下室に連れていく。」
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「ここはどこだ…?」
「ん…?この手錠と足枷は一体…。」
「目が覚めましたか?」
「っ…じゃあ、ここはお前らの…。」
「私たちの屋敷です。随分と野蛮なことをしてくれましたね……琉生を取り戻すために。」
「琉生がここにいるのですか…?」
「お前ら…さっきのこと覚えていないのか…?」
「たしか…黒鬼院様に琉生を探すよう言われて…」
2人とも先ほどのことが嘘のように落ち着いている。
「あのとき…屋敷を出るとき、何か呪文のようなものをかけられて……。」
「それって僕を殺せっていう命令だったんじゃない?」
「琉生!」
「2人とも、僕のせいでごめん…。」
「お前だけの責任じゃない。俺らが黒鬼院様に背いたんだ。」
「どういうこと…?」
「彼女がいなくなったことで黒鬼院様は次々と代わりの女性を攫うように私たちに命令しました。ですが、黒鬼院様が望む女性はいませんでした。私たちにも少しは良心の欠片がありましたから、命令を…目的を諦めてほしいと言いました。」
「そしたら、お前らも逆らうのかって……呪文をかけられたのもその時だ。」
「仲良く話しているところ悪いけど、アタシたちにも教えてくれるかしら?その黒鬼院様のこと。」
「知ってどうする?」
「アナタたちも分かっているでしょう…これ以上隠せないことを。」
「はあ…あんたらが俺らの条件をのんでくれるなら教えてやっても構わない。
「条件…?」
「いいんですか、輝石。」
「どうせ俺らも琉生も殺されちまうんだ。もう隠す必要なんかねえよ。」
「そうですね……。」
「俺らを…ここで匿ってほしい。」
「う…あ…。」
恐る恐る指の隙間から覗くと聖さんが琉生くんの上に覆いかぶさり刺されていた。
「邪魔をするな。」
「ここで琉生が死んだら花月が悲しむ。それに…俺らの家を……汚したくないからな…。」
「邪魔をするなら貴様からだ!」
「花月、見ないで。」
後ろから奏に目を覆われる。見えなくても聞こえる音が生々しさを…荒々しさを物語っている。
「聖なら大丈夫だから……。僕なんかよりも強いし絶対に負けない。」
しばらくすると戦っていたであろう音は消え奏の手も外された。目の前に現れたのは傷を負った聖さんと彼に抱えられた2人の姿。
「こいつらを…地下室に連れていく。」
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「ここはどこだ…?」
「ん…?この手錠と足枷は一体…。」
「目が覚めましたか?」
「っ…じゃあ、ここはお前らの…。」
「私たちの屋敷です。随分と野蛮なことをしてくれましたね……琉生を取り戻すために。」
「琉生がここにいるのですか…?」
「お前ら…さっきのこと覚えていないのか…?」
「たしか…黒鬼院様に琉生を探すよう言われて…」
2人とも先ほどのことが嘘のように落ち着いている。
「あのとき…屋敷を出るとき、何か呪文のようなものをかけられて……。」
「それって僕を殺せっていう命令だったんじゃない?」
「琉生!」
「2人とも、僕のせいでごめん…。」
「お前だけの責任じゃない。俺らが黒鬼院様に背いたんだ。」
「どういうこと…?」
「彼女がいなくなったことで黒鬼院様は次々と代わりの女性を攫うように私たちに命令しました。ですが、黒鬼院様が望む女性はいませんでした。私たちにも少しは良心の欠片がありましたから、命令を…目的を諦めてほしいと言いました。」
「そしたら、お前らも逆らうのかって……呪文をかけられたのもその時だ。」
「仲良く話しているところ悪いけど、アタシたちにも教えてくれるかしら?その黒鬼院様のこと。」
「知ってどうする?」
「アナタたちも分かっているでしょう…これ以上隠せないことを。」
「はあ…あんたらが俺らの条件をのんでくれるなら教えてやっても構わない。
「条件…?」
「いいんですか、輝石。」
「どうせ俺らも琉生も殺されちまうんだ。もう隠す必要なんかねえよ。」
「そうですね……。」
「俺らを…ここで匿ってほしい。」