生贄の花嫁      〜Lost girl〜
聖さんに呼ばれ2人でゴミを外に出しに行く。

「用事……何?」

「お前は察しがいいな。あいつらの前で渡すのは気が引けるから……それに2人になりたかった……。」

「ん…?最後が聞き取れなかった……。それに渡すものって……?」

「俺の火力を込めて作ったロザリオだ。もし……あいつらが…何かしてきたら使え。」




目の前に差し出されたのは赤黒い金属があしらわれたロザリオだった。



これって武器って事……?


「中には短刀が仕込んである。ロザリオのままでも多少の火力は使える。剣として使うならロザリオから抜けばいい。」

「何でこんな武器を……?」


「お前のことが心配なんだ。お前が攫われたときも……怖がらせた時も…俺は何もできなかった。お前のこと……大切だから……守れればって……。」


「ありがとう、聖さん。でも…私はたぶん使えないと思う。武器として使うってことは…相手のことを殺すってことでしょ……?私は……怖くてできない。」

「たしかに武器として使えば相手をただ殺すことになる……。だけど、中に込めた炎には浄化の炎を入れてある。刺した相手の魂を浄化して天に送る。そういう造りにしてある。」


「ありがとう……最高のお守りだよ。」




このロザリオを使う日は来ないと思う。でも……もし使うのであれば……誰かのために……使いたい。
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