生贄の花嫁 〜Lost girl〜
第20話 吹き込まれた命
―劉磨side—
「ほう……決闘かね?じゃが、わし相手に5人とは少し卑怯ではないか?」
「なら……俺が1人で戦う。」
「泣かせるのう……愛する女子のために自分の命を顧みず、わしに勝負を挑むとは……。」
「花月…。」
花月のもとに行き頬を撫でる。
「花月…終わらせてくるから……ここで奏たちと待っていろ。ただ……絶対俺の姿は見るな。」
「え…?」
「俺の本当の姿は見せたくない。だから、俺がいいというまで絶対に目を開けるな。」
「分かった。」
そういうと花月は素直に目をつぶってくれた。
「奏…俺が戻ってくるまで花月を頼む。」
「もちろん。」
「これで本来の姿でお互い戦える。」
普段能力を抑えている腕輪を取り本来の姿になる。こんな化け物みたいなすがた、花月には見せたくねえ。
「若造が凄んだところでわしに勝つことなどできんよ。」
黒鬼院が飛び掛かってくる。それと同時に構える。
老人とは思えない速さ。間合いが狭まらない。
どんなやつでも純血種は純血種ってことか……
「さすが吸血鬼協会にいただけある。大した力だ。」
2人の間で剣と拳が激しくぶつかり合う。
わずかに目で判断できるかどうかくらいの素早い剣さばき。
「ふん、この程度の力でわしに歯向かおうなど……身の程知らずな。」
「この程度の力だと……?少しでもあんたが悔いてくれると思ったから生かしておいてやろうと思ったがそれももう終わりだ。俺らの大事な奴を何回も傷つけた恨み、受けてもらうぞ。」
懐から白木でできた杭を出す。それを見るなり怯み始める黒鬼院。
「白木の……杭だと…。そんなものどこで…」
「不死身と言われる吸血鬼を唯一永遠に死に追いやることができる。これが最後のチャンスだ。すべての罪を認め罪を償うか、ここで死ぬか、好きなほうを選べ。」
しばらく沈黙が流れる。
「わしもここまでか……。お前の言う通り罪を認めよう。」
「分かった…。」
後ろを振り返り花月たちの元へ行こうとしたそのとき――――――
「劉磨、後ろ!」
「死ねぇ!」
グサッ
「ぐ……。」
黒鬼院の胸へと力強く杭を突き刺す。
「最後のチャンスだって言っただろ。お前はここで死ぬ。」
強い光を放ち黒鬼院の姿は跡形もなく消えていった。
「ほう……決闘かね?じゃが、わし相手に5人とは少し卑怯ではないか?」
「なら……俺が1人で戦う。」
「泣かせるのう……愛する女子のために自分の命を顧みず、わしに勝負を挑むとは……。」
「花月…。」
花月のもとに行き頬を撫でる。
「花月…終わらせてくるから……ここで奏たちと待っていろ。ただ……絶対俺の姿は見るな。」
「え…?」
「俺の本当の姿は見せたくない。だから、俺がいいというまで絶対に目を開けるな。」
「分かった。」
そういうと花月は素直に目をつぶってくれた。
「奏…俺が戻ってくるまで花月を頼む。」
「もちろん。」
「これで本来の姿でお互い戦える。」
普段能力を抑えている腕輪を取り本来の姿になる。こんな化け物みたいなすがた、花月には見せたくねえ。
「若造が凄んだところでわしに勝つことなどできんよ。」
黒鬼院が飛び掛かってくる。それと同時に構える。
老人とは思えない速さ。間合いが狭まらない。
どんなやつでも純血種は純血種ってことか……
「さすが吸血鬼協会にいただけある。大した力だ。」
2人の間で剣と拳が激しくぶつかり合う。
わずかに目で判断できるかどうかくらいの素早い剣さばき。
「ふん、この程度の力でわしに歯向かおうなど……身の程知らずな。」
「この程度の力だと……?少しでもあんたが悔いてくれると思ったから生かしておいてやろうと思ったがそれももう終わりだ。俺らの大事な奴を何回も傷つけた恨み、受けてもらうぞ。」
懐から白木でできた杭を出す。それを見るなり怯み始める黒鬼院。
「白木の……杭だと…。そんなものどこで…」
「不死身と言われる吸血鬼を唯一永遠に死に追いやることができる。これが最後のチャンスだ。すべての罪を認め罪を償うか、ここで死ぬか、好きなほうを選べ。」
しばらく沈黙が流れる。
「わしもここまでか……。お前の言う通り罪を認めよう。」
「分かった…。」
後ろを振り返り花月たちの元へ行こうとしたそのとき――――――
「劉磨、後ろ!」
「死ねぇ!」
グサッ
「ぐ……。」
黒鬼院の胸へと力強く杭を突き刺す。
「最後のチャンスだって言っただろ。お前はここで死ぬ。」
強い光を放ち黒鬼院の姿は跡形もなく消えていった。