生贄の花嫁      〜Lost girl〜
―劉磨side―


テストが始まると、問題のほとんどが花月が特に丁寧に解説していたところだった。こんなにすらすら問題が解けるだなんて嘘みたいだ……。これなら赤点の心配もねえ。それに、こんなに楽しいテストも初めてだ。



でもこれじゃあ、俺と花月の関係は恋愛関係じゃねえよね……。よくて勉強仲間。下手すりゃパシリだよな……。



花月の方に目をやると、もう解き終わっていたのか手を止めていた。



このテストでいい点取れたら祝ってほしいなんて言ったけど、本当は花月への礼が先だよな。


いつも俺のコトばかり押し付けてしまう。俺にできるお返し……体育祭の練習くらいだったのに奏たちにとられた。



今も思うとなんかムカついてくる。



いや、ここでいつもムカついてキレるからダメなんだな…俺。もっと花月のことを考えて相手の立場になって動かなきゃだめだよな……。俺って…どんだけ子供なんだよ……。
< 148 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop