生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「今日のテストは終わりだね。帰りましょうか。劉磨さんは明日の数学と理科の復習しましょう!」


「いや、それなんだけどさ……俺、今日は1人でやるわ。」
「え……?」



「明日もテストなのに花月に迷惑かけられねえし、自分の力で解かねえと力にならねえからな。」

「劉磨が我が儘言わないなんて珍しい。台風でも来るんじゃない?」

「そうかもな…。俺、さき帰って勉強するわ。」



「なんか……いつもと雰囲気違うな。」



「まあ、それなら花月は僕たちと勉強会しよう!」

「そうだね。劉磨さん…少し心配な気もするけれど、やる気を削いじゃダメだよね。」




「花月……元気ないのか…?」
「そんなことないよ!ただ、なんかちょっと寂しいなって……。」



劉磨さんに頼られていて嬉しかったんだよね。一緒に勉強して、喜んでいたり、一生懸命解いているのがすごく見ていて楽しくて……。


「安心しろ、数学と理科は俺も苦手だ。教え甲斐があるぞ。」

「なんで聖が自爆してるわけ。そんな冗談言うタイプだったっけ?」

「聖さん、ありがとう。私は大丈夫だよ。それに…役に立てるなら嬉しい。」
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