生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「で、何ですか、この山盛りの洋菓子は。」

「劉磨さんが作ってくれました。皆でお茶会しましょう。」

「あらあら、劉磨クンがお菓子を作るなんて珍しいわね。」

「これは、花月に作ったんだ。お前らに……って、何食ってんだよ泰揮。」
「せっかくの良い男が台無しよ~。そんなんで怒っちゃダ~メ。」

「なにがダ~メ、だ。」



やっぱり……いない…。



「奏は……いないの…?」

「いや、部屋には行ったんだけど気分悪いからいらねえってさ。」


「そっか……。」

「俺のせいでごめんな……。」
「ううん…喧嘩したなら仕方がないもんね。」



きっと奏にも聖さんにもそれぞれの理由があって喧嘩している。だから、私は追及しない…追求しちゃいけないんだ。


「せっかくの紅茶が冷めてしまうので、お茶会始めましょう!」

「ああ。」
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