生贄の花嫁 〜Lost girl〜
第24話 悪魔のシナリオ(前編)
あっという間に体育祭の特訓は終わり、いよいよ今日は体育祭当日。泰揮クンが言っていた通りたくさんの生徒がいて、いつも以上に賑わっている。
「あ、花月ちゃん、ハチマキ巻いてあげるよ。」
「ありがとうございます。」
「敬語じゃなくていいって。せっかくだから髪型も変えちゃおっか。」
「結愛、朝から絡まないの。」
「えー、いいじゃん。友達なんだし。」
「なんか……父親になった気分。」
「じじ臭いこと言うなよ、聖。」
「でも花月、よく笑うようになったよね…。同性の友達ができるって大切なことなのかもね。僕たちと一緒にいても花月の全てを理解できるわけじゃないし、性別的な好みや趣味嗜好は分からないことも多いから。」
「皆はポニーテールと編み込みどっちがいいと思う?」
「ポニーテール。」
「編み込み。」
「似合ってれば何でもいい。」
「編み込んでからポニーテールにすれば?」
「そだね。花月ちゃん、頭動かさないでね。」
「は、はい!」
このとき私たちは誰も気づかなかった。静かに迫りくる黒くて恐ろしい影を。
これから起こる事件を。このときは誰も。
「あ、花月ちゃん、ハチマキ巻いてあげるよ。」
「ありがとうございます。」
「敬語じゃなくていいって。せっかくだから髪型も変えちゃおっか。」
「結愛、朝から絡まないの。」
「えー、いいじゃん。友達なんだし。」
「なんか……父親になった気分。」
「じじ臭いこと言うなよ、聖。」
「でも花月、よく笑うようになったよね…。同性の友達ができるって大切なことなのかもね。僕たちと一緒にいても花月の全てを理解できるわけじゃないし、性別的な好みや趣味嗜好は分からないことも多いから。」
「皆はポニーテールと編み込みどっちがいいと思う?」
「ポニーテール。」
「編み込み。」
「似合ってれば何でもいい。」
「編み込んでからポニーテールにすれば?」
「そだね。花月ちゃん、頭動かさないでね。」
「は、はい!」
このとき私たちは誰も気づかなかった。静かに迫りくる黒くて恐ろしい影を。
これから起こる事件を。このときは誰も。