生贄の花嫁      〜Lost girl〜
あれからランタンもいくつか見つかり、時間も過ぎていくけれど、特別なランタンだけは見つからない。

「そ、そろそろ見つけないと、俺も限界だ…ぴょんでちゅ…。」


「あらあ、この鞭と首輪は楽しいわね。悠夜をペットにでもした気分。」
「不快極まりないのですが……なぜ私だけこんなにも意味不明な装備を……。」

「すっごいカオスだよね。」



聖さんは『ぴょん』『でちゅ』の語尾、悠夜さんは猫耳と首輪をつけていて、泰揮クンは女王様(?)ということで鞭を振り回している。


「私と花月は当たらなくてよかったよね、こんな下品なの。」
「思い出作りとしては当たったほうが面白いんだけどね。」

「いや、花月はもう少し危機感持って。桃瀬くんの人間性を疑いたくなってきたよ、私は。」



「まだ探していない場所は残すところ書庫だけですね。残り時間も少ないですし、急ぎましょう。」



「随分と広いですね……。」

「知識は多い分には困らないからついつい買っちゃうのよね…。」



「あ、これ、神話シリーズ…。」
「楓ちゃん、神話が好きなの…?」

「好きっていうか…私も、この人たちみたいに特別な力があればいいなって……。ただ守られて生きるのは……とても寂しいから。」

「そっか……楓ちゃんはきちんと自分の足で立って生きていくことを望むんだね。」

「え…?」

「だって、守られるんじゃなくて、自分の意志で生きて、自分で自分の人生を決めていきたい、そういうことなんじゃないかなって思って。」

「そんな立派な物じゃないよ。ただ…私は知らなかったことを知りたい。窮屈に縛られることの無い自由な人生を送りたいだけ。」



「そうなんだ……やっぱり、このパーティ、一緒にできてよかった。楓ちゃんのこと、知れたから。」

「私も……一緒にいられて…よかった……。」

「花月チャン、楓チャン、こっちに箱があるわよー!」

「きっと、特別な箱だよ、開けに行こう。」
「うん!」








「あれ…?中に何か紙が入っている。」

「『さあ、残るは宝のみ。大広間へ戻るがいい。』……何これ。」

「まあ、いいからいいから、大広間へ戻りましょう。」



箱を開けたとき、打ち合わせにはなかった謎の紙が入っていた。打ち合わせでは、楓ちゃんに最後の箱を開けてもらって、終わる予定だったはず……。




「15分遅れ…まあ、ちょうどいいでしょう。」

「……何企んでるんですか?」


「とってもサプライズなことよ。」







ガチャ
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