生贄の花嫁      〜Lost girl〜
あれから何度も着替えること数時間。衣装を作ってくれた人たちの意見はようやくまとまり最後に聖さんと2人で並んだ写真を撮られてモデルは終わった。


「文化祭の準備って…楽しいね。あの人たちのおかげで素敵な衣装を着させてもらえるだなんて感謝だね。」


「…花月…文化祭の日、1時間だけ2人きりになれないか……?」
「なんで……?」


「…少しだけの時間でいいから2人だけで周りたい。」

「うん…いいよ…。」



何だろう……聖さんの燕尾服姿を見たときから胸の鼓動が強く波打つ。ドキドキして体が熱くて……



「…皆には内緒だな。」
「うん……。」








「あー、やっと帰ってきた。今は皆休憩して……って、2人ともどうかしたの?」
「な、何も無いよ!衣装着させてもらえたの楽しかった。」

「花月、顔赤いよ。熱でもあるの…?」
「楽しくてちょっと上せたのかも…大丈夫だから気にしないで。」



「聖ぃ―、ちょっと僕と話そうか。」
「…奏、目が笑ってない…。」

「花月は教室で水瀬さんたちと休んでてね。僕、ちょーっと聖と話したいことがあるから。」



「あ、うん…先に教室戻ってるね。」
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