生贄の花嫁      〜Lost girl〜
後ろに映された画面に記されていたのは、①好きな飲み物、②好きな食べ物、③好きなアイテム。


「1問目はかなり簡単な問題ですねー。いつも一緒にいるからこそ相手の好みが分かるはず!しかし、ここで大切なのはいかに相手の考えを推理するかです。それは回答をどうぞー!」



この3問なら…割と簡単かもしれない。少なくとも飲み物とアイテムは分かる。

でも……私が気になるのは


「合計10点満点……。」
「…どうした?」


「さっき、司会の人が言っていた合計10点満点として審査するっていうのが気になって……。」


「…合計…ということは、回答以外のことでも審査されるものがあるってことか……?」



「おーっと、エントリーNo.4の緑川くん&白梨さんペアは何やら会話をして見つめ合っています。」


『きゅんきゅん!』



「おー、さっそく審査員の方々から萌えのポイント、『きゅんきゅん』ポイントが入りました。」


きゅんきゅん…ポイント…?



「そう、この第1審査では相手と会話をすることが禁止されてはいません。回答を合わせていただくことがルールではありますが、いかに相手を信じ仲睦まじい様子が見られるかを審査します。」



つまり……相談して回答を合わせていいってこと……?



「ねえ、拓真―、好きな食べ物なんだっけー?」
「たこ焼き。」
「じゃあ、答えはたこ焼き……」



『だめだめー』


「おーっと、次は『だめだめー』ポイントが出てしまったー!」


「ちょっと何なのよ、その子たちは良くて私たちはダメってどういう……」


「だから言ったじゃないですか。≪いかに相手を信じ仲睦まじい様子が見られるかを審査する」ただ回答を合わせるのではなくどれだけ仲が良いかを見せるかどうか。それが審査基準です。」


私たち…そんなに仲睦まじく見えるの……?



「嬉しいな……。」
「…え…?」

「あ、ちが……。」


≪もし……その相手の人が花月さんのことを好きだったらどうする?≫



もし……聖さんが私のこと……好きになってくれていたら……それはきっと……嬉しいこと。でもそれなら……全部聖さんに頼るんじゃなくて……自分から距離を近づけなきゃ……。


「ちが……くはない……。私も、一緒に考えるから……だから……その……。」

「…そうだな。互いに好きなもの書くか。」
「うん……。」


『きゅんきゅん』
『きゅんきゅん』



「序盤からかなりの『きゅんきゅん』ポイントが入っています!恐ろしいぞ、緑川・白梨ペア。」




こうやって煽られているから……?心臓の鼓動がますます早くなり体温が上昇していく。
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