生贄の花嫁 〜Lost girl〜
第34話 心よ叫べ
≪花月!死んじゃったら嫌だよ。≫
≪花月!目を覚まして!≫
誰かが…私の名前……呼んでる。誰…?
「あ……?」
目を開けると涙を流している楓ちゃんと泣きそうな顔をしている奏がいた。
「悠夜、花月が目を覚ましたよ!」
「そりゃお前らがそんだけ叫んでりゃ嫌でも起きるっての。」
「もう、劉磨も少しは感動してよ。」
私……死ななかったんだ。壊れた窓から朝陽が差し込んでいる。気のせいか今までよりも眩しい。
「あの……この手首についているバングルは…?」
「それは能力制御のためのバングルよ。それをつけている間は暴走しないはずだから安心して。」
「花月さん……目が覚めてよかったです。泰揮のDNAが入った貴女に聖の血を吸わせたので心配はしましたがどうにか体を保ったようですね。」
「そうですか。」
」
「……花月。」
「楓ちゃん……。」
「……花月が死んじゃったら…どうしようって……。でも、無事でよかった。」
「それじゃあ私は……。」
「無事に吸血鬼になれたのよ。鏡で見てみる?瞳の色が変わって牙も生えてるわよ。」
楓ちゃんに渡された手鏡で自分の顔を見ると、右目は黄色に、左目は緑色になっていて、口には立派な牙が生えていた。
「いかがですか…?」
「なんだか…不思議な感じです。」
「これで、僕たちはずーっと一緒にいられる。花月、吸血鬼になってくれてありがとう。」
「後は楓の覚醒だな。」
「……私だってその気になれば……。」
「皆の場合も覚醒は起きるの…?」
「覚醒って言っても、生理現象みたいなもんだから花月ほど過酷なものじゃないよ。」
そっか……楓ちゃんも覚醒したら同じに……なんか楽しみだな。
「あ……そういえば学校は…?」
「…真面目なお前のことだから絶対言うと思ってた。俺としては…休んでほしいけど、花月が行きたいなら止めない。」
「聖さん……心配してくれてありがとう。なんだか分からないけど、体の調子は悪くないみたいだからちゃんと行くよ。」
「俺は休みてえけどな。ミスターコンのせいでいろんな奴に追いかけられるのが目に見えてる。」
「あら、じゃあ2人で凱旋パレードでもしておく?劉磨クン。」
「は…?お前1人でやれ。」
「もう、劉磨クンのいけず。」
泰揮クンも元に戻った(?)ようでよかった。それになんだか前よりも楽しそう。
「…花月…嬉しそうな顔してる。」
「うん。いろいろあったけど、良かったなって。」
「…俺らも行くか。」
ほら、といって私の目の前に跪く聖さん。困惑している私を見て聖さんも困惑している。
「あの……何でしょうか…?」
「…俺が花月を運ぶから、とりあえず姫抱っこってやつだ。」
ひめだっこ……?ひめだっこって何…?
「俺の腕に乗ってくれ。」
すごく…というか非常に好奇心旺盛な眼をしている聖さん。そんなに“ひめだっこ”したいのかな……?
「あ、えっと……お願いします…?」
聖さんに促されるままに聖さんの腕へと体を預けると私の体が勢いよく宙に浮いた。
「…お前、やっぱり軽いな。」
「なんか、赤ちゃんに戻ったみたいで恥ずかしいよ……。」
「…これ……俺だけの特権……。」
「そんな可愛い顔して言わないでよ……。」
本当に聖さんが愛おしく見える。これが恋愛なのかな……?
「はいはい、そこのバカップルさんたち、もうリムジン出るから早く乗ってよね。」
「あ、奏、今行く……聖さんおろして…?」
「…俺が運ぶ。」
どうやら拒否権は私にはないみたいです。
≪花月!目を覚まして!≫
誰かが…私の名前……呼んでる。誰…?
「あ……?」
目を開けると涙を流している楓ちゃんと泣きそうな顔をしている奏がいた。
「悠夜、花月が目を覚ましたよ!」
「そりゃお前らがそんだけ叫んでりゃ嫌でも起きるっての。」
「もう、劉磨も少しは感動してよ。」
私……死ななかったんだ。壊れた窓から朝陽が差し込んでいる。気のせいか今までよりも眩しい。
「あの……この手首についているバングルは…?」
「それは能力制御のためのバングルよ。それをつけている間は暴走しないはずだから安心して。」
「花月さん……目が覚めてよかったです。泰揮のDNAが入った貴女に聖の血を吸わせたので心配はしましたがどうにか体を保ったようですね。」
「そうですか。」
」
「……花月。」
「楓ちゃん……。」
「……花月が死んじゃったら…どうしようって……。でも、無事でよかった。」
「それじゃあ私は……。」
「無事に吸血鬼になれたのよ。鏡で見てみる?瞳の色が変わって牙も生えてるわよ。」
楓ちゃんに渡された手鏡で自分の顔を見ると、右目は黄色に、左目は緑色になっていて、口には立派な牙が生えていた。
「いかがですか…?」
「なんだか…不思議な感じです。」
「これで、僕たちはずーっと一緒にいられる。花月、吸血鬼になってくれてありがとう。」
「後は楓の覚醒だな。」
「……私だってその気になれば……。」
「皆の場合も覚醒は起きるの…?」
「覚醒って言っても、生理現象みたいなもんだから花月ほど過酷なものじゃないよ。」
そっか……楓ちゃんも覚醒したら同じに……なんか楽しみだな。
「あ……そういえば学校は…?」
「…真面目なお前のことだから絶対言うと思ってた。俺としては…休んでほしいけど、花月が行きたいなら止めない。」
「聖さん……心配してくれてありがとう。なんだか分からないけど、体の調子は悪くないみたいだからちゃんと行くよ。」
「俺は休みてえけどな。ミスターコンのせいでいろんな奴に追いかけられるのが目に見えてる。」
「あら、じゃあ2人で凱旋パレードでもしておく?劉磨クン。」
「は…?お前1人でやれ。」
「もう、劉磨クンのいけず。」
泰揮クンも元に戻った(?)ようでよかった。それになんだか前よりも楽しそう。
「…花月…嬉しそうな顔してる。」
「うん。いろいろあったけど、良かったなって。」
「…俺らも行くか。」
ほら、といって私の目の前に跪く聖さん。困惑している私を見て聖さんも困惑している。
「あの……何でしょうか…?」
「…俺が花月を運ぶから、とりあえず姫抱っこってやつだ。」
ひめだっこ……?ひめだっこって何…?
「俺の腕に乗ってくれ。」
すごく…というか非常に好奇心旺盛な眼をしている聖さん。そんなに“ひめだっこ”したいのかな……?
「あ、えっと……お願いします…?」
聖さんに促されるままに聖さんの腕へと体を預けると私の体が勢いよく宙に浮いた。
「…お前、やっぱり軽いな。」
「なんか、赤ちゃんに戻ったみたいで恥ずかしいよ……。」
「…これ……俺だけの特権……。」
「そんな可愛い顔して言わないでよ……。」
本当に聖さんが愛おしく見える。これが恋愛なのかな……?
「はいはい、そこのバカップルさんたち、もうリムジン出るから早く乗ってよね。」
「あ、奏、今行く……聖さんおろして…?」
「…俺が運ぶ。」
どうやら拒否権は私にはないみたいです。