生贄の花嫁      〜Lost girl〜

第38話 聖なる夜

―聖side—

「ねえ、もういい加減電話に出なよ、聖。」


あの後涙をこらえながら屋敷に帰ってきた。俺を見ていた花月は脅えてた。でも、それ以上に苦しかったのは花月が俺に嘘をついたことと…



「…俺よりも仕事……か。」

「だから首輪すればよかったんだよ。電話でないと、花月が悲しむよ。」


「…でも……今の俺だと……花月を責めることしかできない。それに……花月に嘘をつかれたことがショックなんだ……。」



「もうさー、花月にお仕置しちゃえば?」
「……?」


「嘘つかれて聖は傷ついたんでしょ?だったらお仕置して分からせてあげないと。」


いつもならそんなことをして花月を傷つけるなんて絶対にしない。でも今の俺には奏の策が魅力的に感じる。




「…その話、乗る。どうやればいいか教えてくれ。」
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