生贄の花嫁      〜Lost girl〜
―24日 —

「花月ちゃん、来てもらってからで悪いんだけど、バイト、もう終わりでいいよ。」

「え……?」


「結愛ちゃんたちから聞いたの。大切な人とのこと。」

「でも、私、やめてしまったら人手足りなくなってしまいませんか……?」



「それはそうだけど……でも、その分結愛ちゃんとあずさちゃんが頑張るって言ってくれたし、他のバイトさんもいるから大丈夫。それよりも……大切な人や大切なことを失ってほしくない。はい、これお給料ね。」


「こ、こんなにいただけません!2日しか働いていませんし……。」



店長さんに渡された封筒には本来の4日分のお給料の45,000円が入っていた。


「今年はあなたのおかげでケーキが飛ぶように売れた。これはインセンティブだと思って。大切な人と話し合って、問題が解決して、また働きたいと思ってくれた時に来てくれれば嬉しいよ。」



店長さんにお礼を言い店を出ると柚さんが立っていた。


「私も昨日までで終わりにしてもらった。花月も終わりって聞いてたから待ってたよ。」

「私は…この後皆へのプレゼントを買いに行きます。」


「そう…私は先に屋敷に戻ってくるから気をつけて買い物してきなよ。」

「はい……!」
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