生贄の花嫁      〜Lost girl〜
聖さんに手を引かれたまま聖さんの部屋へと入る。さっき仲直りできたと思ったのに…やっぱり怒ってる…?

「あ、あの、聖さ…んむ。」


壁に押し付けられ何度も何度も荒々しく唇を重ねられる。舌が出たり入ったり……頭がのぼせてくる。


「ひじ…待って…話を…。」

「…ごめん……。」
「え……?」


「…こんな酷いことして……悪い。でも…水瀬たちに取られて……やっと俺のところに戻ってきたのに……柚にも取られる気がして……。こんな酷いこと……。」


「私はもう……身も心も全て聖さんのものだよ。何があっても絶対に帰ってきます。たとえ聖さんがどんな人であっても……何があっても必ず。」

「…本当は、こんな無理やりじゃなく……もっと思い出に残るようなクリスマスにしたかった。抱き合って幸せな……。」



声は怒っているように聞こえるのに…体は震えていて、きっととても不安にさせていたんだ。こんなにも私を好きでいてくれる人を…私は……。



「…何言ってるんですか…。クリスマスはまだ始まったばかりですよ。何度も抱き合って思い出を作りましょう。だって、夕飯まで……一緒にいられるんでしょう…?」

「ああ……きちんとやり直そう。ベッドの中で。」
――――――――――――――――――――――――――
結局あの後何回シたんだろう……。求めあったのはいいけれど……何が驚いたって、聖さん絶倫ってやつだと思う。前にあずさちゃんが言ってた。世の中にはすごい人がいるって。

さすがに途中から少し怖かった。


「…ごめん、止まらなかった。」
「ううん……聖さんでいっぱいになれて幸せだよ。そういえば、さっきする前に飲ませてくれた錠剤って…?」

「…あれは泰揮が作ったDNAの抑制剤。花月の体には泰揮のDNAが入ってるから、俺のDNAが入っても柚の時みたいに暴走しないようにさっきもらった。」

「ふーん……。」



「…花月、左手を出してくれるか…?」



左手を差し出すと聖さんが薬指に指輪をはめてくれた。聖さんも同じ指輪を薬指にはめている。


「…いつかちゃんとした指輪を渡せるときまでの指輪だけど……これからも俺とずっといてくれるか……?」

「うん……ずっと、ずーっと一緒にいます。」


「…花月、ハッピーメリークリスマス……。」
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