生贄の花嫁 〜Lost girl〜
「あー、やっと来たよバカップル。」
夕食をとりに大広間へ行くと奏に野次を飛ばされた。なんだか最近よくバカップルって言われている気がする……。
「今日はクリスマスだから七面鳥にシチューパイ、付け合わせのパンは好きなの食べてちょうだい。デザートにはブッシュドノエルもあるからねー。」
いつにも増して豪華な食事だ。
こうして皆とクリスマスを過ごせるなんて夢みたいだな。これがいつの日か……ううん、きっといつまでも素敵な思い出になる。
「……花月、難しい顔してる。」
「え、ううん……ただ、幸せだなって……こうやって皆と一緒にクリスマスを過ごせて嬉しい。」
「……私も嬉しいよ。花月たちと出逢って、こうして家族の温かさを知ることができて幸せ。」
「まあ、貴女がいなかったら私も今こうして生きていられなかった。花月、こっちの世界に来てくれてありがとう。そして改めて、吸血鬼化おめでとう。」
「楓ちゃん…柚さん……。」
「はい、湿っぽい空気は終わり。ちょっと早いけど、プレゼント交換と行きますか。」
「私から皆さんには…大したものではないですが……5人のお揃いのキーチェーンです。それぞれイニシャルを入れてもらいました。」
「あ、ぼくのK.Mって彫ってある。」
「……花月、貴女まさか皆に平等にってわけじゃないでしょうね。ちゃんと聖のは他にもあるんでしょ?」
「え、いや……その……ものは一緒です。」
「…花月、俺はこれで十分嬉しい。それにもう、お前には最高のクリスマスをもらったからな。」
「俺らの前で堂々と何してんだよ。」
「……劉磨くん、これ……。」
「あらあ、楓ちゃんから劉磨クンへプレゼント…?微笑ましくていいわね。」
「……劉磨くん、好きか分からないけど……ピアス。劉磨くんの瞳の色と同じ紅蓮の色だったからどうしても渡したくて……。」
「…サンキュ。」
「あー、劉磨が照れてるー。」
「う、うるせえ。」
「はい、アタシからのプレゼントは美容グッズよ~って、何でみんな離れていくのかしら?」
「男が着圧ソックスなんか履くか―!」
「あら、血流良くなって健康にいいのよ。はい、花月チャン、柚ちゃん。楓ちゃんも使うかしら…?」
「……なんかよく分からないけどもらっておく。」
「では私からは参考書を渡しましょうか。特に劉磨には赤点回避、留年回避のための私特製のノートもつけますよ。」
「こんなときにも勉強持ってくんな。」
「相変わらず悠夜が劉磨の面倒見てるわけね。少しは頭良くなったの?」
「柚、お前どっちの味方なんだよ。」
「権力ある方。」
「お前……。」
「あ、外雪降ってる。」
奏の言葉に、皆が窓に駆け寄る。空から落ちてくるたくさんの雪の結晶たち。冷たくて、儚く消えてゆく。でも……手に触れると体の奥まで沁みていく。
「……これでこそ、クリスマスって感じね。せっかくなら外にヤドリギの木を用意すればよかったわ。どこかのカップルさんがキスできるように。」
「お、おい、柚……そろそろイジるのやめてくれ……。」
「えー、今すぐ2人きりになりたいって?じゃあ2人で雪とってきてー。」
「…お、おい……。」
「聖――――――」
柚さんが聖さんに何か耳打ちすると背中を押され大広間から出されてしまった。本当に雪を取ってこなくちゃいけないのかな……?
「……行くぞ。」
「え、行くってどこに!?」
夕食をとりに大広間へ行くと奏に野次を飛ばされた。なんだか最近よくバカップルって言われている気がする……。
「今日はクリスマスだから七面鳥にシチューパイ、付け合わせのパンは好きなの食べてちょうだい。デザートにはブッシュドノエルもあるからねー。」
いつにも増して豪華な食事だ。
こうして皆とクリスマスを過ごせるなんて夢みたいだな。これがいつの日か……ううん、きっといつまでも素敵な思い出になる。
「……花月、難しい顔してる。」
「え、ううん……ただ、幸せだなって……こうやって皆と一緒にクリスマスを過ごせて嬉しい。」
「……私も嬉しいよ。花月たちと出逢って、こうして家族の温かさを知ることができて幸せ。」
「まあ、貴女がいなかったら私も今こうして生きていられなかった。花月、こっちの世界に来てくれてありがとう。そして改めて、吸血鬼化おめでとう。」
「楓ちゃん…柚さん……。」
「はい、湿っぽい空気は終わり。ちょっと早いけど、プレゼント交換と行きますか。」
「私から皆さんには…大したものではないですが……5人のお揃いのキーチェーンです。それぞれイニシャルを入れてもらいました。」
「あ、ぼくのK.Mって彫ってある。」
「……花月、貴女まさか皆に平等にってわけじゃないでしょうね。ちゃんと聖のは他にもあるんでしょ?」
「え、いや……その……ものは一緒です。」
「…花月、俺はこれで十分嬉しい。それにもう、お前には最高のクリスマスをもらったからな。」
「俺らの前で堂々と何してんだよ。」
「……劉磨くん、これ……。」
「あらあ、楓ちゃんから劉磨クンへプレゼント…?微笑ましくていいわね。」
「……劉磨くん、好きか分からないけど……ピアス。劉磨くんの瞳の色と同じ紅蓮の色だったからどうしても渡したくて……。」
「…サンキュ。」
「あー、劉磨が照れてるー。」
「う、うるせえ。」
「はい、アタシからのプレゼントは美容グッズよ~って、何でみんな離れていくのかしら?」
「男が着圧ソックスなんか履くか―!」
「あら、血流良くなって健康にいいのよ。はい、花月チャン、柚ちゃん。楓ちゃんも使うかしら…?」
「……なんかよく分からないけどもらっておく。」
「では私からは参考書を渡しましょうか。特に劉磨には赤点回避、留年回避のための私特製のノートもつけますよ。」
「こんなときにも勉強持ってくんな。」
「相変わらず悠夜が劉磨の面倒見てるわけね。少しは頭良くなったの?」
「柚、お前どっちの味方なんだよ。」
「権力ある方。」
「お前……。」
「あ、外雪降ってる。」
奏の言葉に、皆が窓に駆け寄る。空から落ちてくるたくさんの雪の結晶たち。冷たくて、儚く消えてゆく。でも……手に触れると体の奥まで沁みていく。
「……これでこそ、クリスマスって感じね。せっかくなら外にヤドリギの木を用意すればよかったわ。どこかのカップルさんがキスできるように。」
「お、おい、柚……そろそろイジるのやめてくれ……。」
「えー、今すぐ2人きりになりたいって?じゃあ2人で雪とってきてー。」
「…お、おい……。」
「聖――――――」
柚さんが聖さんに何か耳打ちすると背中を押され大広間から出されてしまった。本当に雪を取ってこなくちゃいけないのかな……?
「……行くぞ。」
「え、行くってどこに!?」