生贄の花嫁 〜Lost girl〜
最終話 祝福の花嫁
時の流れというものはとても早いもので、あれから5年が経とうとする今日、私たちは学校を卒業した。すべてが変わったあの日からたくさんの人と出会い、嬉しいことも辛いこともあったけれど、聖さんと…皆と一緒に乗り越えることができた。
聖さんとの婚約が決まってからも人との出会いは途切れることなく、温かい声、厳しい声もあったけれど言葉を通じて分かり合えることも多く、覚悟も決まり歩んでこられた。
そしてこれから私たちが向かうのは――
「本当に、今日結婚式でよかったの?悠夜と泰揮と私はいつでもいいのに、貴女たちは卒業式が終わったばかりで疲れてない?」
「大丈夫です。それに……今日、式を挙げないといけない気がして…。」
そう、卒業式が終わってから私たちはリムジンで教会へと向かっている。
この後私は聖さんと結婚をする。
「よくまあお偉いさん方も身内だけの結婚式を認めたよな。今までだったら中継とかしてたのに。」
「まあ早く式をあげることには無関心なのか、何かを企んでいるのか……。」
「相変わらずあんたたちは歪んでるわね。まあ、例年にはない結婚式なのかもしれないけどさ。」
「…母さんたち、もう着いてるって。水瀬たちも準備して待ってるって。」
聖さんのご家族はもう着いていて楽しみにしてくれているのかな…?聖さんが…国王の継承者として結婚を迎えるということはとても誇らしく喜ばしいことだよね。
だけど私には……喜ぶ家族も待っていてくれる家族もいない。
「花月チャン、落ち込まないの。家族はアタシたちよ。だから、自分は孤独だなんて思わないの。」
「私たちがあなたの家族として結婚式に参加させていただきます。私たちとしても貴女がこのような素敵な日を迎えることができて嬉しいのです。ですから、笑ってください。」
「はい……。」
悠夜さんと泰揮クンと柚さんは、学校を卒業した後にお店を開いたそうで、『なんでも屋』をやっているらしい。主に人間と吸血鬼のハーフの人や下層吸血鬼を助けているそうで結構繁盛していると言っていた。柚さんも自分の能力を使える日が来るかもしれないと喜んでいた。
「そういえば姫は?卒業式の後現地で会えるって言ってたけど。」
楓ちゃんはお家に戻ってから学校生活もより頑張ったらしく、今は生徒会に入っているらしい。卒業までに生徒会長になってよりよい学校を作れるよう奮闘中だそうだ。
「髪、伸びたな。」
「うん……。ずっと切ってなかったからね。」
「本当に切っちまっていいのか?」
「うん……私なりの過去との決別と未来への願掛けだから。」
「もうすぐ着きますよ。着いたらそれぞれ仕事があるかと思いますので、式でまたお会いしましょう。」
「はい。」
聖さんとの婚約が決まってからも人との出会いは途切れることなく、温かい声、厳しい声もあったけれど言葉を通じて分かり合えることも多く、覚悟も決まり歩んでこられた。
そしてこれから私たちが向かうのは――
「本当に、今日結婚式でよかったの?悠夜と泰揮と私はいつでもいいのに、貴女たちは卒業式が終わったばかりで疲れてない?」
「大丈夫です。それに……今日、式を挙げないといけない気がして…。」
そう、卒業式が終わってから私たちはリムジンで教会へと向かっている。
この後私は聖さんと結婚をする。
「よくまあお偉いさん方も身内だけの結婚式を認めたよな。今までだったら中継とかしてたのに。」
「まあ早く式をあげることには無関心なのか、何かを企んでいるのか……。」
「相変わらずあんたたちは歪んでるわね。まあ、例年にはない結婚式なのかもしれないけどさ。」
「…母さんたち、もう着いてるって。水瀬たちも準備して待ってるって。」
聖さんのご家族はもう着いていて楽しみにしてくれているのかな…?聖さんが…国王の継承者として結婚を迎えるということはとても誇らしく喜ばしいことだよね。
だけど私には……喜ぶ家族も待っていてくれる家族もいない。
「花月チャン、落ち込まないの。家族はアタシたちよ。だから、自分は孤独だなんて思わないの。」
「私たちがあなたの家族として結婚式に参加させていただきます。私たちとしても貴女がこのような素敵な日を迎えることができて嬉しいのです。ですから、笑ってください。」
「はい……。」
悠夜さんと泰揮クンと柚さんは、学校を卒業した後にお店を開いたそうで、『なんでも屋』をやっているらしい。主に人間と吸血鬼のハーフの人や下層吸血鬼を助けているそうで結構繁盛していると言っていた。柚さんも自分の能力を使える日が来るかもしれないと喜んでいた。
「そういえば姫は?卒業式の後現地で会えるって言ってたけど。」
楓ちゃんはお家に戻ってから学校生活もより頑張ったらしく、今は生徒会に入っているらしい。卒業までに生徒会長になってよりよい学校を作れるよう奮闘中だそうだ。
「髪、伸びたな。」
「うん……。ずっと切ってなかったからね。」
「本当に切っちまっていいのか?」
「うん……私なりの過去との決別と未来への願掛けだから。」
「もうすぐ着きますよ。着いたらそれぞれ仕事があるかと思いますので、式でまたお会いしましょう。」
「はい。」