生贄の花嫁 〜Lost girl〜
―翌日―
「テスト2日目だ~!」
「テンション高いな…。」
「だって負けられない♪」
「あ、あの…白梨花月さんですよね…?ちょっといいですか?」
いきなり知らない男性に話しかけられた。制服を着ているからこの学校の人なんだとは思うけど…私に何の用だろう…?
「はい…あの、私に何か?」
「じ、実はこれ、渡したくて…。」
白い封筒を突き出された。なんだろう…
「僕、白梨さんのことが好きなんです。手紙、読んでくださいね。」
それだけ言うと目の前にいる男性は去って行ってしまった。
「ラブレター…?」
「さ、さあ…?何なのかわかりませんが…。」
ビリッ
「ちょ、桃瀬さん何するんですか⁉」
私が持っていた手紙を桃瀬さんが思い切り破り捨てた。
「こんなの…ラブレターなんかじゃない。」
「いくらなんでもひどいです!まだラブレターだって決まったわけじゃないのに。」
「ひどいのは花月じゃんか!僕とのキス覚えてないし…皆のことばかり見て全然僕のこと見てくれないじゃないじゃん!」
「キ…ス…?」
「一昨日、花月酔っぱらって僕にキスしたんだよ⁉」
「そんな…嘘…。」
「僕は花月のこと好きで好きでたまらないのに全然振り向いてくれなくて…。」
奏の目から涙が零れ落ちた。そんなことがあったなんて知らなかった…私が奏とキスしていたなんて…
「ごめん……僕、先に教室行ってる。」
「あ、桃瀬さん‼」
走って行ってしまった。何とも言えない空気が漂い私たちはしばらくその場で立ちすくむしかなかった。
------------------------------------------------------------------------------------
テストが始まり問題を問いている間にもさっきのことが頭から離れなかった…私が桃瀬さんにキスを…。
「よし、英語のテストを始めるぞ。最後の科目だからと気を抜かないように。」
それに桃瀬さんが私のことを好きだなんて…驚いた。
「おい、白梨大丈夫か?ぼーっとして。」
「大丈夫です、すみません。」
「よし、じゃあテスト始め!」
結局テストにはほとんど集中することできなかった。負けたらどうとか、勝ったらどうとかそんなこと頭の中からは抜けていて、只々桃瀬さんへの罪悪感でいっぱいだった。
-------------------------------------------------------------------------------
「起立!礼!」
「さようなら!」
帰りのホームルームも終わり皆で屋敷に帰ろうと準備をしていた。
「皆、ごめん。僕、歩いて帰るから。」
「待って、桃瀬さん…。」
「花月、ごめん…今は1人にさせて……。」
彼の腕をつかんだ私の手を、彼はそっと放して教室を出て行ってしまった。
「私…桃瀬さんにひどいことしちゃったのかな…?」
気づけば私の頬に涙が伝っていた。
「しょうがない…花月は覚えてないんだろ?それに…奏も少しイライラしてるだけだ。元はといえば、俺が花月にウイスキーボンボン食べさせたから…。それに奏にあまり構わなかったのは大丈夫だと思ったんだろ?」
「はい…桃瀬さんは何でもできると思ったから、あまり見てなくても大丈夫だと思ってて…でも、そのせいでこんなことになるなんて…。」
「花月、これは奏を庇うわけじゃないけどそういうふうに男を見ないでくれ。男って…女が思ってるよりもすごく単純…。少しのことで期待もするしショックも受ける生き物なんだ。だから無意識に意識させるようなことがあることを覚えておいてくれ…。」
「まあ、今回は奏の嫉妬にも問題はあったからお前だけが悪いわけじゃないと思うけどな。」
「俺たちにできることなら…何でもする。」
そう言って聖さんは私の頭をなでてくれた。自分がやったことで桃瀬さんを傷つけてしまった。
ちゃんと謝らなくちゃ。
「テスト2日目だ~!」
「テンション高いな…。」
「だって負けられない♪」
「あ、あの…白梨花月さんですよね…?ちょっといいですか?」
いきなり知らない男性に話しかけられた。制服を着ているからこの学校の人なんだとは思うけど…私に何の用だろう…?
「はい…あの、私に何か?」
「じ、実はこれ、渡したくて…。」
白い封筒を突き出された。なんだろう…
「僕、白梨さんのことが好きなんです。手紙、読んでくださいね。」
それだけ言うと目の前にいる男性は去って行ってしまった。
「ラブレター…?」
「さ、さあ…?何なのかわかりませんが…。」
ビリッ
「ちょ、桃瀬さん何するんですか⁉」
私が持っていた手紙を桃瀬さんが思い切り破り捨てた。
「こんなの…ラブレターなんかじゃない。」
「いくらなんでもひどいです!まだラブレターだって決まったわけじゃないのに。」
「ひどいのは花月じゃんか!僕とのキス覚えてないし…皆のことばかり見て全然僕のこと見てくれないじゃないじゃん!」
「キ…ス…?」
「一昨日、花月酔っぱらって僕にキスしたんだよ⁉」
「そんな…嘘…。」
「僕は花月のこと好きで好きでたまらないのに全然振り向いてくれなくて…。」
奏の目から涙が零れ落ちた。そんなことがあったなんて知らなかった…私が奏とキスしていたなんて…
「ごめん……僕、先に教室行ってる。」
「あ、桃瀬さん‼」
走って行ってしまった。何とも言えない空気が漂い私たちはしばらくその場で立ちすくむしかなかった。
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テストが始まり問題を問いている間にもさっきのことが頭から離れなかった…私が桃瀬さんにキスを…。
「よし、英語のテストを始めるぞ。最後の科目だからと気を抜かないように。」
それに桃瀬さんが私のことを好きだなんて…驚いた。
「おい、白梨大丈夫か?ぼーっとして。」
「大丈夫です、すみません。」
「よし、じゃあテスト始め!」
結局テストにはほとんど集中することできなかった。負けたらどうとか、勝ったらどうとかそんなこと頭の中からは抜けていて、只々桃瀬さんへの罪悪感でいっぱいだった。
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「起立!礼!」
「さようなら!」
帰りのホームルームも終わり皆で屋敷に帰ろうと準備をしていた。
「皆、ごめん。僕、歩いて帰るから。」
「待って、桃瀬さん…。」
「花月、ごめん…今は1人にさせて……。」
彼の腕をつかんだ私の手を、彼はそっと放して教室を出て行ってしまった。
「私…桃瀬さんにひどいことしちゃったのかな…?」
気づけば私の頬に涙が伝っていた。
「しょうがない…花月は覚えてないんだろ?それに…奏も少しイライラしてるだけだ。元はといえば、俺が花月にウイスキーボンボン食べさせたから…。それに奏にあまり構わなかったのは大丈夫だと思ったんだろ?」
「はい…桃瀬さんは何でもできると思ったから、あまり見てなくても大丈夫だと思ってて…でも、そのせいでこんなことになるなんて…。」
「花月、これは奏を庇うわけじゃないけどそういうふうに男を見ないでくれ。男って…女が思ってるよりもすごく単純…。少しのことで期待もするしショックも受ける生き物なんだ。だから無意識に意識させるようなことがあることを覚えておいてくれ…。」
「まあ、今回は奏の嫉妬にも問題はあったからお前だけが悪いわけじゃないと思うけどな。」
「俺たちにできることなら…何でもする。」
そう言って聖さんは私の頭をなでてくれた。自分がやったことで桃瀬さんを傷つけてしまった。
ちゃんと謝らなくちゃ。