生贄の花嫁 〜Lost girl〜
「え~、今回はなんと赤点が一人も出なかった。先生はすごく嬉しいぞ。」
「僕のおかげだね。ね、劉磨。」
「今回はちゃんと勉強したからな。それよりお前らの勝負はどうなったんだよ。」
「いや、あれはなかったことに…」
「もちろん勝負だよ!僕が勝ったらデートね。」
「せめて家事代行とかにしてもらえませんか?」
「いや、それだけはやめろ。屋敷が壊れる。」
「あ、あの…ずっと聞き忘れていたのですが、デートって何ですか?」
「え!?」
「お前知らないで引き受けてたのか!?」
「てことは、僕が初体験だね。一緒にお出かけしようね。」
「奏、にやけてる。」
「……それ…俺も入る。」
「え!?」
「じゃあ俺も…?」
「ちょっと、僕だけの特権なんだから2人とも邪魔しないでよ!」
「俺に負けるのが怖いのか?さすがの天才も勝てないと思ってんだろ。」
「もう、わかったよ!参加していいから!」
聖さんと劉磨さんも勝負に加わることになった。
私に拒否権はないんですね…
-------------------------------------------------------------------
「せーの!」
結局全員でテストの点を公開することになり現在に至る。
「劉磨が80点!?これ、夢?」
「失礼だな。俺だってやればできるんだよ。」
「俺、65点だった。俺ビリ?」
「ちなみに僕は数学100点!」
「私も100点…。」
「数学は駄目だった…。」
「でも47点…劉磨にしてはできたほう。」
「僕、花月に勝てるかわからなくなってきた。全然差が広がらない。」
いま10教科中9教科の合計点が出ていて桃瀬さんが875点、劉磨さんが546点、聖さんが650点、私が886点。
このままいければ多分勝てるけれど、最後の科目が集中できなかった英語だ。
「80点…。」
「58点か。」
「66点。」
「僕、93点!てことは僕が1位だね。」
「そんな…。」
負けてしまった。これで私は桃瀬さんとデートをすることになる。
「本当にデート…しなきゃダメですか……?」
「花月は約束…破ったりしないよね?」
「う…。」
「いけると思ったんだけどな。」
「いつものお前からしたら十分だと思う。」
「そりゃ、ありがとよ。」
「あらあら、楽しそうなことしているのね。」
「まったく俗なことを…ですが劉磨をここまでの成績にしたことは褒めて差し上げましょう。」
教室のドアのほうから女子の黄色い歓声が上がっている。まさか…
おそるおそる見ると案の定いたのはあのお2人なわけで。
「ハ~イ。花月チャン。」
「お二人ともなぜここに…?」
「こちらも先ほど終わりましたので迎えに来たのですよ。」
「賭けは奏クンの勝ちみたいね。早く帰りましょ。」
「僕と花月は歩いて帰るよ。」
「歩いて帰って大丈夫なのですか?」
「直射日光はまずいけど、日陰を通っていけばいいし、何かあったら花月が血をくれるでしょ?」
「あらまあ、デートだなんて面白そうねえ…。」
「試験が終わったからといって現をぬかすとは…。」
「どこ、いこっか?」
「う~ん…特に考えてないです。でも、桃瀬さんは日光あるとこ駄目だから…水族館はどうですか…?」
「そうだね。暗くて近い距離にいられるからイチャイチャできるね。」
桃瀬さんの顔が怖い。目は笑っていないのに口角が上がってる。これはなにかを企んでいる顔だ。
「じゃあ、行こうか。」
「僕のおかげだね。ね、劉磨。」
「今回はちゃんと勉強したからな。それよりお前らの勝負はどうなったんだよ。」
「いや、あれはなかったことに…」
「もちろん勝負だよ!僕が勝ったらデートね。」
「せめて家事代行とかにしてもらえませんか?」
「いや、それだけはやめろ。屋敷が壊れる。」
「あ、あの…ずっと聞き忘れていたのですが、デートって何ですか?」
「え!?」
「お前知らないで引き受けてたのか!?」
「てことは、僕が初体験だね。一緒にお出かけしようね。」
「奏、にやけてる。」
「……それ…俺も入る。」
「え!?」
「じゃあ俺も…?」
「ちょっと、僕だけの特権なんだから2人とも邪魔しないでよ!」
「俺に負けるのが怖いのか?さすがの天才も勝てないと思ってんだろ。」
「もう、わかったよ!参加していいから!」
聖さんと劉磨さんも勝負に加わることになった。
私に拒否権はないんですね…
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「せーの!」
結局全員でテストの点を公開することになり現在に至る。
「劉磨が80点!?これ、夢?」
「失礼だな。俺だってやればできるんだよ。」
「俺、65点だった。俺ビリ?」
「ちなみに僕は数学100点!」
「私も100点…。」
「数学は駄目だった…。」
「でも47点…劉磨にしてはできたほう。」
「僕、花月に勝てるかわからなくなってきた。全然差が広がらない。」
いま10教科中9教科の合計点が出ていて桃瀬さんが875点、劉磨さんが546点、聖さんが650点、私が886点。
このままいければ多分勝てるけれど、最後の科目が集中できなかった英語だ。
「80点…。」
「58点か。」
「66点。」
「僕、93点!てことは僕が1位だね。」
「そんな…。」
負けてしまった。これで私は桃瀬さんとデートをすることになる。
「本当にデート…しなきゃダメですか……?」
「花月は約束…破ったりしないよね?」
「う…。」
「いけると思ったんだけどな。」
「いつものお前からしたら十分だと思う。」
「そりゃ、ありがとよ。」
「あらあら、楽しそうなことしているのね。」
「まったく俗なことを…ですが劉磨をここまでの成績にしたことは褒めて差し上げましょう。」
教室のドアのほうから女子の黄色い歓声が上がっている。まさか…
おそるおそる見ると案の定いたのはあのお2人なわけで。
「ハ~イ。花月チャン。」
「お二人ともなぜここに…?」
「こちらも先ほど終わりましたので迎えに来たのですよ。」
「賭けは奏クンの勝ちみたいね。早く帰りましょ。」
「僕と花月は歩いて帰るよ。」
「歩いて帰って大丈夫なのですか?」
「直射日光はまずいけど、日陰を通っていけばいいし、何かあったら花月が血をくれるでしょ?」
「あらまあ、デートだなんて面白そうねえ…。」
「試験が終わったからといって現をぬかすとは…。」
「どこ、いこっか?」
「う~ん…特に考えてないです。でも、桃瀬さんは日光あるとこ駄目だから…水族館はどうですか…?」
「そうだね。暗くて近い距離にいられるからイチャイチャできるね。」
桃瀬さんの顔が怖い。目は笑っていないのに口角が上がってる。これはなにかを企んでいる顔だ。
「じゃあ、行こうか。」