生贄の花嫁 〜Lost girl〜
―泰揮side—
「アタシが小さかった時、母親から教えらえた白蛇族の存在…。」
「白蛇族…?」
「ターゲットに毒針を注入して記憶や体を意のままに操ることや変装を得意とする種族。彼らに咬まれたら2時間以内に解毒薬を塗らないと体が蝕まれてしまう。1つ厄介なのは白蛇族の中には下層吸血鬼をがいること。」
「下層吸血鬼って…花月の家族を襲った奴らか……?」
「恐らくその可能性は高いでしょう。私たちは普段人間の血を吸う場合、僅かにDNA…唾液を送る。そうすることで半吸血鬼化を止めることができます。しかし稀に私たちのような純血種によって血だけを奪われDNAをもらえず半吸血鬼の状態にされる存在がいます。それが下層吸血鬼です。あの時の下層吸血鬼たちに関係している何者かが花月さんを奪いに来た…そういったところでしょう。」
「花月は…助かるんだよな…?」
「それは約束するわ。薬は合っているはずだから。」
「それにしてもよく知っていましたね、白蛇族のことを。」
「昔、アタシが子供の時住んでいた屋敷に白蛇族が来たのよ。アタシや両親は純血種の吸血鬼だから体を乗っ取られずにすんだけど雇われていた人間たちはみんな彼らの毒に侵されていたわ。その時母が教えてくれたのよ。薬の作り方と症状について。まさか、役に立つ日が来るだなんて思ってもみなかったけど。」
アタシが知っていることをすべて話した。驚きを隠せない子、考え込む子。そうよね……本来はあってはならない裏切りの行為なのだから。
「悠夜、どこに行く…?」
「白蛇族について、書庫で調べてきます。」
「俺も手伝う。」
「ん…。」
「花月、体調はどう?」
「少し…痛いの…落ち着いた。」
「よかった…。僕たち今夜ここで寝るから安心して眠ってね。」
「ありがとう…。」
これから何かがきっと起こる。
アタシたちは受け止めきれるのかしら。彼女を…守れるのかしら。
窓から見えた真っ赤な月。それはまるでこれからのアタシ達の身を案じているような気がしてならなかった。
「アタシが小さかった時、母親から教えらえた白蛇族の存在…。」
「白蛇族…?」
「ターゲットに毒針を注入して記憶や体を意のままに操ることや変装を得意とする種族。彼らに咬まれたら2時間以内に解毒薬を塗らないと体が蝕まれてしまう。1つ厄介なのは白蛇族の中には下層吸血鬼をがいること。」
「下層吸血鬼って…花月の家族を襲った奴らか……?」
「恐らくその可能性は高いでしょう。私たちは普段人間の血を吸う場合、僅かにDNA…唾液を送る。そうすることで半吸血鬼化を止めることができます。しかし稀に私たちのような純血種によって血だけを奪われDNAをもらえず半吸血鬼の状態にされる存在がいます。それが下層吸血鬼です。あの時の下層吸血鬼たちに関係している何者かが花月さんを奪いに来た…そういったところでしょう。」
「花月は…助かるんだよな…?」
「それは約束するわ。薬は合っているはずだから。」
「それにしてもよく知っていましたね、白蛇族のことを。」
「昔、アタシが子供の時住んでいた屋敷に白蛇族が来たのよ。アタシや両親は純血種の吸血鬼だから体を乗っ取られずにすんだけど雇われていた人間たちはみんな彼らの毒に侵されていたわ。その時母が教えてくれたのよ。薬の作り方と症状について。まさか、役に立つ日が来るだなんて思ってもみなかったけど。」
アタシが知っていることをすべて話した。驚きを隠せない子、考え込む子。そうよね……本来はあってはならない裏切りの行為なのだから。
「悠夜、どこに行く…?」
「白蛇族について、書庫で調べてきます。」
「俺も手伝う。」
「ん…。」
「花月、体調はどう?」
「少し…痛いの…落ち着いた。」
「よかった…。僕たち今夜ここで寝るから安心して眠ってね。」
「ありがとう…。」
これから何かがきっと起こる。
アタシたちは受け止めきれるのかしら。彼女を…守れるのかしら。
窓から見えた真っ赤な月。それはまるでこれからのアタシ達の身を案じているような気がしてならなかった。