生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「離しなさいよ!」
「うるっせえ女だな。エサはエサらしく大人しくついてこい。」

肩にかつがれどこともわからない場所へと連れていかれる。いくら暴れてもびくともしない。

「貴方、さっきから何を言っているの……? エサ…?私がエサだっていうの…!?」
「そうだって言ってんだろ。分かったら黙ってろ。」
「分かるわけないでしょ!?」

怒鳴り声をあげたとき、男の力が一瞬ゆるんだ。それと共に今度は、身体が後ろへと引っ張られていく。

「くそっ…待ちやがれ…。」

私をエサ呼ばわりしていた男の姿が徐々に離れていくとともに、私の体は風を感じながら後ろへと進んでいく。私の体を掴んでいるのは…抱えているのは誰なの……?


「貴方は誰なの……?これはどういうことなの!?」
「話は後だ。今は何も考えなくていい。舌噛むから口を閉じてろ。」


一体この屋敷で何が起こっているというの……?


さっきの男も……この男も一体何なの…?
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