生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「っていうのが俺の人生。黒鬼院様と会ってからは李仁と琉生にも会って新しい生活を送っているわけ。正直、まだ俺は罪を償えきれていない。人なんて信じないし、信じたいとも思わない。」


「それでも……私のことは信じてくれたのですか……?」

「は!?自惚れないでよね。人生の話をしただけで仲良くなれたとか馬鹿じゃないの?そもそもあんたが聞いてきたから答えただけだし。」


「でも…今の白銀さんは、少し寂しさが減った気がします。不安が消えたように見えます。話してくれてありがとう。」


「ほんっと、馬鹿。俺の話なんか聞いて何になるわけ?でもまあ、同情して可哀そうって言われるよりはまだあんたみたいに泣かれる方がマシだけどね。あと、俺のこと……輝石でいい。」


「私は…知らなかったことを知って、抑えきれない悲しみを受けて泣いてはしまうけれど、無暗に可哀そうって言葉…使いたくないから。だって、可哀そうって言葉はその人のことを自分よりも下に見ているから使える言葉であって、平等な立場じゃない。平等な立場になれてもいないのに…なろうともしていないのに相手を理解することなんて絶対にできないから。」



「……変わってるよ、ほんと。自分の話なんてあんましたことなかったけど、あんたの反応が一番マシだった。それだけは褒めてやるよ。」
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