生贄の花嫁      〜Lost girl〜
「おかえり~、花月チャン、悠夜。」

「ただいま…戻りました。」

「もう、待ちくたびれたんだから…早く開けるよ!」





「俺…線香花火がいい。」
「聖、最初からそれは無いだろ。打ち上げて景気よく…」

「貴方に景気の“け”の字があるようには思えませんが…。」

「悠夜はいちいち細かいんだよ。」


「しょうがないよ、劉磨はお馬鹿なんだから。」
「お前はいつも偉そうだな。」
「僕のほうが頭いいから偉いの。」

「ちびのくせにな。」

「2人とも落ちつけ。」


「血の気が多いわよ、劉磨クン。」




「本当に皆さん、仲がいいですね。大好きです。」

「え…?」




驚いた顔で私の顔をみる彼ら。

私、何か変なこと言ったかな…?



「やだわ~、花月チャンに告白されちゃったわぁ。寿命が延びそう。」

「全く、恐ろしい人ですね。」

「今のって僕のことだよね!?」

「このちびの言うことはほっとけ。それより俺と打ち上げ花火…」

「俺と線香花火…するか…?」


何はともあれとても楽しい花火大会になりました。
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「遊ぶだけ遊んで疲れて寝ちゃうなんて子供みたいね。」

「劉磨、奏、寝るなら部屋で寝なさい。」

「ん~…動けない…おんぶして…。」
「自分の足で歩きなさい。もう高校生でしょう。」


と言いつつおんぶをしてあげる悠夜さんと、


「劉磨クン、起きないならキスしちゃうわよ。んちゅ~。」
「うわ、やめろ。唇が汚れる!」
「あら、レディーに失礼ね。」
「誰がレディーだ。」



というやり取りをしている泰揮クンたちを眺めている聖さんと私。


家族ってこんな風に温かいのかな……?




「花月…明日、空いてるか…?」

「特に何もないですよ。」
「俺の部屋で…お泊り会しないか…?新しい紅茶が手に入ったんだ。一緒に飲みたい。」

「はい。明日が楽しみですね。」

「それならよかった。」




前から思っていたけれど、聖さんのはにかむような微笑みってほっこりするし癒される。




「明日はずっと俺の部屋で過ごそう。俺…男だけど女子会…したい。」


「フフフ…楽しみに待ってます。」

「じゃあ…おやすみ。」


「うん。おやすみなさい。」
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