生贄の花嫁　　　　　　〜Lost girl〜
―悠夜side—

まったく、まとめ役を買って出ているもののこういうときは嫌になる。私には何もできないというのに……


「コーヒー入ったわよ。……ねえ悠夜、自分がどうにかしなきゃいけないって思ってる？」

「当然です。私は…貴方方をまとめる立場ですから。」

「そうね…たしかにいつも貴方がすべてを片付けてくれたわ…柚ちゃんの時も。でもそれって本当にすべてを解決したって言えるのかしら…？」

「何が言いたいんです？」


「時には手を出さず見守ることも大切よ。貴方や私はあの子たちを支えてあげるべきだけど、自分たちで物事を解決できるように成長させることも必要なんじゃないかしら。」


「見守る…ですか。それで彼らが傷つかないのなら検討してみましょう。」

「聖クンがしたことは許されることではないけど、これで聖クンも…花月チャンも分かったんじゃないかしら…自分たちは男と女であることも自分たちの行動が浅はかだったことも。」

「相変わらずこういう話になると真面になりますね。」


「あら、アタシはいつでも真面よ。それは貴方が一番わかっているでしょ？」

「否定はしませんよ。」
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