生贄の花嫁      〜Lost girl〜
ルイちゃんが少し用があるとのことでベッドの上で横になって呆けている。


そろそろ聖さんとの関係もどうにかしないとだよね…。


コンコン


「入るよー!」



ドアが開くとそこにはルイちゃんだけでなく大きな花束を抱えた聖さんが立っていた。



「私はお茶を淹れてくるから2人で待っててね。」



ルイちゃんがいなくなり互いに気まずい顔をする。


「花月……俺…あの日のこと…すごく後悔してる。大切な…大好きな花月に怖い思いさせて……本当にごめん。しつこい花束も毎日飾ってくれてありがとな。……もう…前みたいに仲良くはできないかもしれないけど……もう1度だけ……チャンスが欲しい。花月とまた話したい。俺の気持ち…受け取ってくれるか…?」

「私…あの日、聖さんが怖いって思っちゃって聖さんに嫌な思いをさせてしまった自分が嫌だった。でも……自分を守ることしか考えられなくてたくさん迷惑かけた。私だって、できることなら…また元に戻りたい。お茶会したりお話ししたい。」


「そうだな……この花束渡したら部屋戻るから……俺のこと…怖いだろ…?」

「……。」


花束を受け取ろうとしたとき体を抱き寄せられた。彼は私を抱きしめ耳元で「ごめん」と囁いた。



聖さんの心臓の音…すごく早い。


「俺…お前のこと本気で好きなんだ。言い訳にしかならないかもしれないけど、あの日花月がいつも以上にきれいで1人占めしてるんだって思って理性が切れたんだ。俺がやったことは許せなくてもいい……いや許してくれなくていい。ただ…この最後の花束だけ受けとってほしい。お前が嫌なら…お前とはかからないようにする。」


「無理だよ……。こんなに愛のつまった花束もらったら、ますます聖さんと話したくなる。この花束…たくさんの愛がつまっている。聖さん…あんな態度取ってごめんなさい。嫌な思いさせてしまってごめんなさい。」


「お前は謝らなくていい。」

「これから私たち元に戻れるかな…?」

「わからない。でも……好みも趣味も同じだから…少しずつ戻れると思う。」
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