これが私の青である
第一章
楽しんだから結果がある
突き刺すような太陽が顔を出す昼
入学してきた後輩が学校に慣れて初めての夏休み。
全道をかけた夏のコンクールに向けて、指揮と指と口に神経を集中させていた。
「じゃあ、菜月のソロみんなにお披露目しようか?」
みんなが私に集中してる。
私のいる吹奏楽部は人数が少ないからコンクールにはC編成で出場していた。
今年選んだ自由曲は『西遊記〜天竺への道』だ。
冒頭にクラリネットのソロがあって、嬉しいことにそのソロを任された。
少し緩んでいた空気が変わる。
トランペットのあの子がピアノ椅子へと移る。
視界にあるのは川上先生のタクト
みんなの視線を感じる。