これが私の青である
( 1.2... )
心の中のカウントと先生の動きが揃う。
みんなと考えたこの場面のストーリー。
天を突き抜けるような山に孫悟空がいる。
心の奥を落ち着かせて、静かに座っている。
私の中の映像を音でみんなに魅せる。
伝われこの風を
伝われ天の高さよ
セカンドとサードが入ってきた。
私が魅せる世界はここまで。
ソロ部分が終わってもみんなの反応がなかったから正直怖かった。
( 先生に「好きにやれ」って言われたからそうしたけどやりすぎたかな… )
「やば…」
( ああやっぱりやりすぎたんだ。やっぱり全部楽譜に忠実にするかな。 )
「……すごい、すごすぎない!?」
私の心配も束の間に後ろにいたアルトサックスの子が言った。
それに続く先輩の「やっぱ菜月ちゃんは上手いね」の言葉や
後輩の「さすがです…!!」の言葉
同級生からも褒めるような言葉を貰った。
「やっぱり何度聴いても好きだわ〜、菜月のソロ。」
先生いわく私が手を加えたこのソロ部分は「つま先の方からくる鳥肌」を立たせるそうだ。
とりあえず褒められたので本番もこれで行こう。と決意した。