年下くんの甘い毒。
しばらく歩いていると、不意に大橋くんが私の左手を握った。
思わず彼の方をギョッと見ると、彼もまたこちらを見ていてニッと笑った。
なんとなく悔しくて動揺は顔に出さない。
それにしても女慣れしてそうな感じ。
まあそりゃそうか。
学校一モテると言われても疑わないくらいには魅力的な顔をしているし、
陸上で鍛えた体はスタイルの良さに磨きをかけている。
今は私より少し大きいくらいの背だってこれからいくらでも伸びるだろう。
三年前に私に告白したって言ってたけど、ずっと好きだったとは言ってないもんね。
この子を周りの女子が放っておくはずない。
「何考えてるんですか?」
「え?」
「手、すごい握ってくるから」