隣のキケンな王子様!


「……王子様、かぁ」



こんなことを言っているあたしは、幼稚なのかな。


でも、それが、不幸なあたしの唯一の支えなんだもん。


簡単には手放せない。



「ただいまぁ」



アパートに戻ったあたしは、誰もいない部屋に気の抜けた声を出してから、浴衣のままベッドにうつ伏せた。



そのまま少し寝ちゃったらしい。



目が覚めた時には、部屋の中は真っ暗だった。




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