隣のキケンな王子様!
あたしの部屋は南向きの2階の角部屋で、右のお隣が郁己くんの部屋。
郁己くんの今の立ち位置は、衝立のないほうの端っこ。
ようするに、南と東の景色を広く見渡せるポジションだ。
言われるままベランダに降りたあたしは、郁己くんの後ろに立った。
「そこじゃなくて。ここ」
何となく得意気な郁己くんは、自分の隣を指定する。
「でも、そこ……狭いし」
「いいじゃん。密着」
「……あのね」
「ほら」
「あ、わっ」