隣のキケンな王子様!
「何? じーっと見て」
「……あ。何でもない//」
「……」
「……」
「……」
「……な、何?」
頭1個高いところで、今度は郁己くんがあたしをじっと見下ろしている。
「行くか。花火見に」
「……はい?」
「浴衣着て、髪上げて、せっかく可愛くしたんだろ?」
「え?」
ぽん、と置かれた頭の上の手のひらに戸惑っていると、
「連れてってやるよ。もっといい場所に」
ふふんと笑ってから、その手であたしのほっぺをチョンとつついた。