隣のキケンな王子様!


「やっ、やだっ。降ろしてっ」


「暴れんなって。落ちるぞ、階段」


「だ、だってっ」



両足をバタつかせるあたしにお構いなし。


郁己くんはスタスタと階段を上っていく。



「ね、ねえってば。降ろし……」


「前言撤回」


「……へ?」


「さっきの自転車の」


「?」


「軽いな、あんた」



ふふんと笑うオオカミが、あたしを斜め上から見下ろしている。



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