隣のキケンな王子様!
「そうかもなぁ。連れて来てればの話だけど」
「え?」
「じゃ、帰ろうか。お姫様」
「……へ? ひゃっ」
またまた、ひょいっと持ち上げられたあたしの体は、さっきよりも固くなっている。
……だって。
「何?」
「え?」
「ヤキモチ?」
「は……は?」
「スネたろ? 今」
「す、スネてなんてないしっ」
くすくすと笑った郁己くんの唇が、
「由梨ちゃんが初めてだよ」
耳の上でそう動いた後、
「……連れて来たいって思ったのは」
触れる場所に迷ってから……あたしの鼻先に軽く落ちてきたから。