隣のキケンな王子様!
ときどき呆れた顔をされるけど、郁己くんがちゃんと聞いてくれるから、あたしもますます話したくなる。
「今日だってね~、そうなんだ~」
「今日?」
「一緒に行くことになってた友達がね~、急に行けなくなっちゃってね~」
「あー、それで戻ってきたのか」
「片想いの先輩に誘われたって~。でも~、それはいいんだ~。
亜矢子の恋が上手くいくのはうれしいもん。
でも~、このタイミングじゃなくてもいいじゃんね~?
先輩ももっと早く連絡してあげればいいのに~とかさぁ。それに……」
「それに?」
「あたしは何やってんのかなぁとか……ちょっと凹んだんだぁ。とにかくね~、不幸なの。ツイてないの、あたし」