隣のキケンな王子様!
「まさか、この歳になって王子様待ちしてるなんて言わないよね」
「えっ?」
「たまにいるじゃん。いつか白馬に乗った王子様が現れるとか何とか言ってる人」
「あは、あはは」
王子様という響きに、少々動揺。
「あ、そうだ、聞いてくれる? このあいださ、先輩がね、」
亜矢子の話が唐突に変わるのはいつものことだけど。
それにほっとしたあたしは、これまたいつものように耳をかたむけた。
「それでさ、」
「亜矢子、」
「肩をたたかれてね。きゃー」
「……アイス」
「すっごいドキドキしたー」
「へえ……」
結局、アイスは話に夢中になってる亜矢子が全部食べちゃった。