隣のキケンな王子様!
「由梨、こっからの帰り道、一人で気をつけてよ」
「なんか……不安だなぁ」
しばらく進むと、曲がり角。
お互いのアパートは逆方向だから、ここで亜矢子とはお別れ。
「買ったばっかりの浴衣まで吹っ飛ばすことにならないように」
「恐いこと言わないでよ」
「あ! そう言えばあたし、アイス全部食べちゃった!」
「……それもプチ不幸ってことで納得してるからいいよ」
「ごめんごめん」
「じゃ、また明日学校でね」
「うん、バイバイ」
手をふる亜矢子を見送って、あたしは慎重にアパートへ向かった。