隣のキケンな王子様!

それでも、探す手は止められない。


止められるわけがない。


だって、あの指輪は大切なお守りで、そして……



「何やってんだよ」



ふいに頭上からふってきた声に顔を上げると、傘を差した郁己くんが立っていた。


難しい顔をして、雨まみれのあたしを見下ろしている。



「雨降ってんだぞ? わかってんのか?」


「郁己くん……」


「草むしりか。んなわけねーよな。どーしたんだよ」



そこまで言った郁己くんは、あたしが握りしめているものを見て目を丸めてから、



「パンツ握って何やってんだよ……。しかもそれ、オレのだろ」



呆れたような、なんとも言えない顔をした。



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