隣のキケンな王子様!
「パンツ泥棒か」
「……違うもん」
「マヌケだぞ、その格好は」
少しだけ笑った郁己くんは、傘の半分をあたしにかけて、隣にしゃがんだ。
「どした?」
「指輪、落としちゃったの……」
雨水の垂れる前髪の中で目をパチパチしながら答えると、
伸びてきた長い指が、あたしのおでこを開放してくれた。
「指輪? って?」
「いつも付けてた指輪」
「あ~、突き指の隣についてたヤツか」
「うん」
「それとオレのパンツがどういう関係にあるわけ?」