隣のキケンな王子様!
*ひとりにしないで
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指輪を落としてしまったショックで体が重い。
階段を引っ張られるようにして上ったあたしが無言で玄関ドアを開くと、
「おじゃましまーす」
後ろから、郁己くんのスニーカーが滑り込んできた。
「……」
「ほら、早く入れよ」
「……分かってるとは思うけど、」
振り向いて言うと、
「オレの部屋は隣です」
正しい答えが返ってきて、
「だったら。何ですか、その足は」
「中にオレの洗濯物があるんだろ? そのパンツ以外」
あたしが握りしめているカメレオンパンツを指差した。