隣のキケンな王子様!
*……いい?
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「寒くない?」
「……うん」
「てか、ちょっと蒸し暑いな」
「……うん」
郁己くんは、あたしから少し離れた同じベッドの上に腰掛けた。
「そうやってると、みのむしみてぇ」
シャワー前にコンタクトをはずしてしまったあたしの視界は、ほぼ真っ暗だけど。
郁己くんの方では目が慣れてきたのか、あたしの恰好を見て笑ってるみたい。
「郁己くんだって、みのむしみたいだったじゃん」
「オレ?」
「……あたしがお泊りしちゃったとき」
「あー、由梨ちゃんに飛び蹴りくらったときか」
「あれは。浴衣が足にからまっちゃったから……」
「それにしても、由梨ちゃんの寝顔、可愛かったなぁ」