隣のキケンな王子様!


背中に回った大きな手が、あたしの両肩を封じ込める。



おでこの当たったTシャツから、トクトクと聞こえてくる郁己くんの音。



髪に感じる息づかいは、蒸し暑い部屋の温度よりも高い。



「……あっ……」



郁己くんから伝わってくるものに緊張したあたしは、とっさに離れようとした。



けれど、すぐに引き戻されて。



「……っ」



今度は、


腰をすくいとられるようにして、ぐっと引き寄せられた。




< 218 / 458 >

この作品をシェア

pagetop