隣のキケンな王子様!





「そんな声出すなよ……止まんなくなる……」





手のひら1つを挟んだ距離は、もう、何センチも無い。





「……キスしていい?」





……ズルイ。



ふさがれた口じゃ、うなずくことしか出来ないのに。





「……いい?」





ゆっくり、静かに離れていく手のひらが、あたしの頬を持ち上げるように包んだ。




もう、触れているかもしれない……


そんな距離で、郁己くんの吐息が落ちてくる。



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