隣のキケンな王子様!



「こらこら」



ガラス窓に映った自分の顔を叱る。


浴衣のし付けは中途半端だし、顔はニヤけてるし、サイテーだ。


不幸の辛さは、自分が一番分かってるはずなのに。



「何があったのかは分かんないけど、がんばって、お隣さん」



ひとり言のエールを送って、開いたカーテンを閉めようとした時――、それは起こった。



「…………?」



なんか、ヘン。


窓に映ってるのはあたしなんだけど。


姿が、二重にだぶってる。



< 23 / 458 >

この作品をシェア

pagetop