隣のキケンな王子様!
「こらこら」
ガラス窓に映った自分の顔を叱る。
浴衣のし付けは中途半端だし、顔はニヤけてるし、サイテーだ。
不幸の辛さは、自分が一番分かってるはずなのに。
「何があったのかは分かんないけど、がんばって、お隣さん」
ひとり言のエールを送って、開いたカーテンを閉めようとした時――、それは起こった。
「…………?」
なんか、ヘン。
窓に映ってるのはあたしなんだけど。
姿が、二重にだぶってる。